令和3年度地域日本語教育推進事業(県委託事業)「外国にルーツを持つ子どもの日本語支援講座①」を実施しました!
- 公開日:2021年08月21日
7月31日(土)に「外国にルーツを持つ子どもの日本語支援講座①」をオンラインで開催し、48名の方にご参加いただきました。講師は、外国人の子ども・サポートの会 代表の田所希衣子さんです。
当協会の職員が県内の外国人住民や日本語指導が必要な児童・生徒の状況等について簡単に情報提供をさせていただいた後、 『地域における子どもの日本語支援~宮城県仙台市「外国人の子ども・サポートの会」の取組から~』と題し、田所講師にご講演をいただきました。
2005年に設立された「外国人の子ども・サポートの会」では、コーディネーターが子どもの学習ニーズとサポーターの得意なものをマッチングし、仙台駅近くのオープンスペースなどで、子どもとサポーターが1対1で日本語と教科の学習をしており、受験を控えているお子さんには、サポーターがチームを組んで、週4・5回程度の重点的な支援をされているそうです。
講座では、外国にルーツを持つ子どもたちが抱える課題や日本語・教科の具体的な支援方法について学びました。日本語がゼロで来日した子どもには日本語教育の経験がある人が最初にサポートを行うことや、母国で学習していない内容をフォローするために教科学習では複数学年にわたる復習が必要であること、社会科やキャリア教育の大切さなどについてお話いただきました。また、教科学習に結びつけるために算数・数学の教科書を使用して日本語を読む練習をしていることや、日本語が母語ではない子どもが英語を勉強する際の留意点など、講師の長年にわたる豊富な実践からアドバイスをいただき、子どもたちの具体的な日本語支援について学びを深めることができました。
「子どもたちが散在している状況では、子どもとサポーターがいて、机といすが2つあれば教室ができる」「弟や妹と一緒に勉強をするような気持ちで、寄り添ってサポートすることを大切にしている」という講師の言葉がとても印象に残りました。
受講者の皆さんからのご感想の一部をご紹介します。
・学びたい子どもがいて、サポーターがいて、机といすが2つあればどこでも学ぶ環境が作れるという発想は、大変シンプルだが、重要なことだと思った。学習者とサポーターと引き合わせるコーディネーターの役割の重要性を改めて考えた。
・自分ができることをすれば良いという講師の言葉がとても励みになった。
・根気強く子どもに寄り添って、繰り返し「聞く」「言う」「書く」ことが大事だと思った。
・日本語指導が必要な児童生徒が多くなっている。体制を整えていく必要性を感じている。
・支援者だけではなく、保護者や学校の先生にも外国の子どもに対する共通認識を持ってもらうことが大切だと思った。