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活動報告

山口県国際交流協会創立30周年記念「多文化共生フォーラム」を開催しました。

  • 公開日:2020年02月14日

2月1日(土)にホテルニュータナカにおいて、山口県国際交流協会創立30周年記念「多文化共生フォーラム」を独立行政法人国際協力機構中国センター(JICA中国)と共催で開催しました。開催にあたり、公益財団法人山口県ひとづくり財団、ワイエムセゾン株式会社、公益財団法人西京教育文化振興財からご協賛をいただきました。

はじめに、基調講演として一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎氏に「多文化共生で拓く地域の未来~外国人住民とともに持続可能な社会をつくろう~」というテーマでご講演をいただきました。これまでの多文化共生の取組、日本で暮らす外国人の現状、在留資格や改正入管法、技能実習制度の課題、「ちがい」を受け入れ共に変化する「共生」社会の大切さ、外国人住民が直面する課題、全国の多文化共生の地域づくりの優良事例など、豊富な知識とご経験から、素晴らしいご講演をいただきました。

講師が最後に、「外国人住民のための多文化共生」から「地域の未来のための多文化共生」へと視点を変え、次の30年も外国人が担い手として活躍できる地域を作って山口県の未来を共に切り拓こうとお話されたことがとても印象的でした。

後半は、「外国人住民によるパネルディスカッション」を開催しました。パネリストとして、山口県立大学国際文化学部教授のウィルソン・エイミー氏(米国出身)、長門市地域おこし協力隊のリーリヤ・フィリチャギナ氏(ロシア出身)、医療法人和同会山口幸楽苑 介護福祉士のムルヤディ・ヌグラハ氏(インドネシア出身)の3名にお越しいただきました。

それぞれの自己紹介の後、次の3つのテーマで討論をいただき、田村講師にディスカッションの進行を務めていただきました。ディスカッションの中で出た意見は主に以下のとおりです。

(1)外国人住民として暮らしてきて困ったこと

○ 日本人は恥ずかしがり屋で外国人とあまりコミュニケーションを取らない。

○ 来日当初に、携帯電話の契約・銀行の口座開設・印鑑の作り方など、色々な手続きが複雑で大変だった。

○ 日本人にいつも聞かれるおなじみの質問がある。(納豆は好きですか?いつ帰るんですか?お箸が使えますか?)

○ 長く日本に住んでいても時々「お客様扱い」をされていると感じる。腹を割って本当の友達を作りたい。

○ ムスリムとして、ハラール食材の入手が難しい。外食で食べられるメニューが少ない。1日5回お祈りをするが、外出先にお祈りができるスペースが少ない。

(2)最近「地域に元気がないな」と感じたこと

○ 過疎地域もインフラとして整備し、空き家を利用して緑を楽しみながら仕事をできるようにできると良い。人口減少に悲観的にならず、チャンスと捉える視点が大切では。

○ 公共交通機関が高い。自家用車を通勤に使う人の手当てを減らすなどして、もっとバス代が安くなると良い。

○ 日本では外で遊ぶ子どもの姿を見かけることが少ない。近くに子どもや親が集まれる場所があれば、交流がもっと増えるのでは。日本人も外国人も、子どもも大人も、相互理解できるようなイベントがあったら良い。

○ 母国では海の近くを散歩したり、お茶をしたりして楽しんでいた。現在海の近くに住んでいるが、綺麗な海の景色を楽しめるようなカフェや場所があまりないのが残念。

(3)地域がもっと元気になるために自分ができると思うこと

○ 外国人目線でインバウンドの情報を発信したり、飲食店のメニューやアレルギーの外国語表記を増やしたりしたい。

○ 山口にムスリムのコミュニティがあるので、ムスリムだけではなく地域の色々な人が一緒に交流できる企画を考えたい。

○ 「山口で楽しもう・山口を元気にしたい会」を企画して、楽しみながら一人ひとりが地域を元気にできるような提案ができる会を開催してはどうか。

○ 家族で旅行に来る外国人観光客も多いので、安く気軽に利用できる民泊などはニーズがあるのでは。

パネルディスカッションでは、多様な人が気軽に集まれる「場所」や「機会」がまだまだ不足しているという声が多く出ました。また、外国人目線や、在住外国人をもっと巻き込んだ取り組みや施策が大切という意見もありました。

講師の田村様、パネリストの皆様、ご参加いただいた来場者の皆様、フォーラムの開催にご協力いただいた関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。

人口減少も加速し、国内の外国人住民数も増加する中、これからは多文化共生の地域づくりが益々重要となります。当協会では、「ちがい」を「ちから」に変えていくことができる多文化共生社会の実現に向けて、さらなる取組の充実を図ってまいりますので、今後も県民の皆様の温かいご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。


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