第20回「草枕」国際俳句大会作品募集中
- 公開日:2015年05月29日
「草枕」国際俳句大会は、夏目漱石来熊100年記念事業として2008年に創設された国際色豊かな俳句大会です。
第20回大会の作品を募集しています。
俳句の部(一般部門、ジュニア部門、外国語部門)と、俳画の部で作品を受け付けています。
詳しくはホームページでご確認ください。http://kusamakura-haiku.jp/
第19回の草枕大賞(外国語部門)受賞作品
19th prize-winning haiku
「草枕」大賞
Kusamakura Taishou
(Grand Prize) the west burns down
in the pipe of an old man
quenching the century
西方が燃え落ちる
老人の燻らすパイプの中
この世紀の癒しに
Izeta Radetinac
セルビア
講評(comment)
This haiku presents a complex of images, from the most literal, that of a older man in contemplation, watching the sunset, to a more sociopolitical interpretation, where “west” implies an endpoint to the history of a style of civilization at the end of the 20th century. “Quenching” is a verb used indicate the putting out of fire with water, and is not usually paired with a pipe; as such, alternative interpretations are wryly hinted at here. Certainly, “the west burns down” is a highly unusual collocation, implying both the sunset and destruction—on an ecological and societal scale. As well, each next line is unexpected, revealing a subtle use of language and image, which pairs the individual and human with the feeling of the world, uneasily poised at a tipping point of change.
このハイクは黙想する老人が落日をただ見ているという散文的なものから二十世紀の文明の終焉を示唆する「西洋」というもっと抽象的な政治・社会的な解釈に至るまで様々なイメージを提供してくれる。”quenching” という語は水をかけて火を消すことを意味し、必ずしもパイプと対をなすものではないが、ここでは別のうがった解釈も可能である。同様に「the west burns down(西方が燃え落ちる)」という言い方は落日と破滅の両者を意味して、生態学的、社会的観点からいうとただならぬ言い方となっている。同様に次のあるいはその次の行も予想外で、言語とイメージの微妙な使い方を示してくれている。かくして一個人としての感情は世界と繋がって、時代の大きな転換点にあってからくも平衡が保たれているのだ。
<お申し込み・お問い合わせ先>
「草枕」国際俳句大会実行委員会事務局
〒860-8601
熊本市中央区手取本町1-1 文化振興課内
「草枕」国際俳句大会実行委員会事務局
TEL(096)328-2039
http://kusamakura-haiku.jp/