第2回多文化共生フォーラムを開催しました!
- 公開日:2017年07月19日
7月2日(日)に(公財)山口県ひとづくり財団と共催で第2回多文化共生フォーラム 多文化共生で外国人とともに築く「山口の未来」~維新から150年、さらに世界とつながる地域をめざして~を開催し、当日は約280名の方にご来場いただきました。
◆第1部◆
第1部基調講演の講師は、イランのご出身で、女優・タレントでいらっしゃるサヘル・ローズさんです。「出会いこそ生きる力~人と人との絆~」と題し、ご講演いただきました。ご講演では、サヘルさんの半生を振り返り、イランでの孤児院での暮らしと、8歳で一緒に来日することとなった養母との出会い、言葉や習慣の違いや誤解から受けたいじめや貧しかった苦難の中で支えてくれた人々との出会いを語って下さいました。人との出会いを大切にされてきたサヘルさんの人柄が表れた前向きな言葉、経験、想いは心に響き、非常に印象深いお話しで、多様な環境が取り巻く社会において、人生を豊に暮らすための考え方のヒントを与えて下さり、最後は温かい気持ちに包まれる基調講演でした。
◆第2部◆
第2部は、コーディネーターにダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎さんをお迎えし、外国人住民に聞く「山口の多文化共生」いまとこれからというテーマで外国人住民によるパネルディスカッションを実施しました。
パネリストに、上田エカテリーナさん(ロシア出身)、バブ・チチラピリーさん(インド出身)、ペルラキ・ディーネシュさん(ハンガリー出身)の3名の方に、普段の日本での生活を通して感じている想いが溢れた議論を交わしました。
「山口県に暮らしてここが魅力と思うところ」「山口県が外国人にとって暮らしやすくなるための提案」「外国人観光客が増えるにはどうすればいいか」「山口県への期待」の4つのテーマについて、来県して受けた印象や苦労した話、また山口県に暮らしてよかったこと、山口県が好きでこれからも住んでいきたいからこそ感じている想いなどを本音で議論していただきました。
「山口県の豊かな自然、歴史、温かい人々から本来の日本を感じることが魅力。」「公共の施設などの多言語表記が少ないので、最初はとても困った。多言語表記を増やせば、在住外国人だけでなく外国人観光客のためにもプラスになる。」「公文書や申請書類、学校のお便りなど日本語しかないことが多く、必要な情報が手に入らないことが多い。」「外国にルーツを持つ子どもが学校に馴染むまでに非常に時間がかかるように感じる。地域の理解がすすめば。」「外国人にやさしい地域であれば、その人を通じて山口のことは世界に発信される。世界が山口に注目することになる。」といった意見が出ました。
田村さんからも、人口減少が続いている一方、永住権を取得している外国人住民は増えており、多様な国籍・多様な在留形態で暮らす方が多く存在しているとし、言語教育と多言語環境の拡充は自治体において取り組んでいくべき事項として挙げられました。
多文化共生で活力のある地域づくりをすすめている地方の事例が紹介され、地域の理解により外国人住民が活躍し、雇用を創出している事例や、観光客に地域の魅力を知ってもらうことで将来的に住みたい地域として魅力を発信している地域などが紹介され、もはや観光と多文化共生は切っては切れない関係性にあるとし、「多文化共生」を中心に見据えた地域づくりに取り組む重要性についてお話しがありました。
このフォーラムを通して、日本に暮らし、地域で活躍する外国人住民や日本人の想いやヒントを届けることができ、取組として地域に実践され、ちがいを受入れ共に変化する共生社会の充実が図られていくことを願っています。
山口県国際交流協会では、今後も多様な背景を持つ人々が共に活躍できる社会づくりを目指して様々なイベントや講座等を開催していきますので、引き続き皆さまのご理解とご支援をお願いいたします。