(公財)山口県国際交流協会からのお知らせ

外国にルーツを持つ子どもの支援講座を実施しました!

2月16日(金)に「外国にルーツを持つ子どもの支援講座」を山口市で開催し、当日は日本語ボランティア、保育園・幼稚園・学校関係者、自治体職員、国際活動団体の方など52名の参加がありました。

 

“外国にルーツを持つ子ども”とは、国籍を問わず、両親またはそのどちらか一方が外国出身である子どものことを指しますが、その中でも日本語指導が必要な児童生徒は、全国で43,947人、山口県では106人いると言われています(文部科学省平成28年度調査)。

 

はじめに、講師の特定非営利活動法人青少年自立援助センター定住外国人子弟支援事業部責任者の田中宝紀さんから「外国にルーツを持つ子どもの現状と課題~多様性が豊かさとなる未来へ~」と題し、ご講演をいただきました。

 

外国にツールを持つ子どもの支援の課題として、特に外国人散在地域では一つの学校に子どもが一人という学校も多く、外国人人口割合が低いため、リソースがないことや支援が届きにくいことがあるという指摘がありました。また、子どもたちが抱える課題として、日本語ができないことで学校の勉強についていけないこと、母語も日本語も中途半端になるダブルリミテッドや日本語しかできないため自分の親と会話が成立しないことがあること、ロールモデルがないため目標や希望が見いだせないことがあること、高校進学には非常に高い壁があること、いじめや差別、アイデンティティの揺らぎなどで悩む人もいることなどを教えていただきました。

 

具体的に外国にルーツを持つ子どもをどのように支援するかということについて、インターネット上で公開されている有益なリソースについてもたくさんご紹介をいただきました。田中さんのご講演の中で、「支援のリソースを0から作ることは難しいし大変なので、100あるところから1借りてくる、また100あるところに1加えることが大切」という言葉がとても印象に残りました。

 

次に、山口市内の留学生を支援している「国際交流ひらかわの風の会」の齋藤凉子さんに事例発表をしていただきました。ひらかわの風の会は地域における多文化共生を目指して、留学生の地域行事への参加支援、生活支援、子育て支援などの取り組みを行っていますが、今回は留学生家族の出産サポートや子育て支援の取り組みを中心にご紹介いただきました。子育て支援をされる中で、これまでに留学生家族から受けた相談として、保育園や学校からの配布物が読めないこと、宗教上食べられないものが給食で出ること、日本の学校で注意されるマナーは母国では決して悪いマナーではないなどの異文化のギャップがあることなどをお話いただきました。

 

最後に外国にルーツを持つ当事者からの体験談として、原田さんに体験談をお話いただきました。原田さんはフィリピン人と日本人の両親を持ち、高校生の時にフィリピンから日本に住まいを移しました。日本で生活をし始めてから苦労したこととして、最初は英語とフィリピン語しか話せなかったため、病院や買い物、学校や仕事など日常の当たり前のことをすることができなかったこと、相談できる場所や人がいなかったことなどをお話いただきました。原田さんは現在プログラマーとして活躍されており、外国にルーツを持つ子どもの支援者に向けて、ITを積極的に活用することをアドバイスしていただきました。

 

皆様からいただいたアンケートの感想の一部をご紹介します。

・新世代の学習者にはITを利用することを提案されたのは本当だなと思った。

・同じ悩みを持つ方と話せてよかった。

・社会全体が多様性・多文化を促進していけるように活動を続けていきたい。

・原田さんのここまでの努力に敬意を表したい。

・特別なことではなく、このことも「地域づくり」である。

・課題が多いのに驚いた。特に言葉の壁を乗り越えることの重大さを感じた。

・県下で活動している団体をつなぐネットワークを作って欲しい。

・学校や行政からの配布物一つでも言葉の壁があるのだと気づくことができた。

 

グローバル化が進む中、多様な背景を持つ人がより住みやすい社会になるよう、当協会では今後より一層多文化共生の取り組みを推進していきたいと思います。